2021年秋の大会

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VI. 核融合工学 » 601-2 核融合炉材料工学(炉材料,ブランケット,照射挙動)

[2L01-05] プラズマ対向機器工学

2021年9月9日(木) 09:30 〜 11:00 L会場

座長:片山 一成 (九大)

10:00 〜 10:15

[2L03] タングステンにおけるH-D-He混合プラズマ照射下における水素同位体プラズマ駆動透過挙動

*芦沢 京祐1、小山 優輝1、平田 詩織1、芦川 直子2、染谷 洋二3、波多野 雄治4、大矢 恭久1 (1. 静岡大、2. 核融合研・総研大、3. QST、4. 富山大)

キーワード:タングステン、プラズマ駆動透過、照射欠陥、H-D-He混合プラズマ

本研究では混合プラズマ駆動透過(PDP)実験装置を用いてW材料におけるプラズマ駆動D透過挙動に対するHやHeの影響、照射欠陥の影響について検討した。
1 dpa (displacement per atom)まで照射損傷を導入したW試料を用い、混合プラズマ照射中のH/D/He比は、これらの元素分離に十分な分解能をもつ分光器で評価し、透過してきた水素同位体及びHeを質量分析器で測定した。
その結果は、Hの透過率がDの1.3〜1.7倍程度であることが示された。H/D比を変化させ、H:D=50:50のとき、HDの透過量は最大となった。照射損傷Wでは非照射損傷Wと比較してH,Dの拡散係数が低下した。特に、773 K以下の低温で顕著であり、欠陥が水素同位体拡散の拡散障壁となっていることを示唆している。また、Heとの混合照射におけるDの透過量や滞留量が減少し、Heバブルの形成によってDの拡散を抑制することが示された。本発表では、Wにおける水素同位体の透過と拡散についてより詳細に議論する。