第112代土木学会会長 佐々木葉(ささき・よう)は、埼玉県において発生した下水道に起因する道路陥没事故をうけ、2025年2月26日に土木学会会員へ向けたメッセージを発信しました。 Here is SASAKI Yoh, the 112th Japan Society of Civil Engineers President. I have a message to all the JSCE members today regarding the road collapse in Saitama. Please allow me to read it aloud. English version is here. https://committees.jsce.or.jp/chair/1... ーーーーーーーーーーーー 下水道に起因する道路陥没事故をうけての土木学会会長から会員の皆さんへのメッセージ 2025年1月28日に埼玉県八潮市で起きた中川流域下水道管に起因する道路陥没事故の発生以来、土木学会会長として、また一会員として、心を痛めています。未だ捜索中の方、現場での対応に心血を注いでおられる方、現場周辺で制約のある生活を強いられている方、120万人ともいう水の使用に影響を受けた方、排水処理に関わる方、点検等に急遽取り組む各地の方など、多くの皆さんにお見舞いを申し上げるとともに、まずは現地に落ち着いた日常が戻ることを願っています。 そして土木工学に携わる専門家からなる土木学会の会員も、このインフラの事故に注目し、何を、どうしていけばよいのかを思案していることと思います。 インフラのメンテナンスや長寿命化はかねてより重要な課題でしたが、その認識が社会に広がり、対応が加速したきっかけは、2012年12月の笹子トンネル天井板崩落事故でした。今回の道路陥没事故は、それに匹敵する衝撃を社会に与えたと受け止めています。 国土交通省が2013年を「社会資本メンテナンス元年」と位置付けて以降、実に多くの取り組みがなされ、土木学会も土木界の先陣を切ってインフラメンテナンスの重要性の発信と技術の促進に取り組んできました。しかし、今回の事故は起きてしまいました。このことを私たち会員はどのように受け止めたらよいのでしょうか。 特に今回私たちは、目に見えない地下構造物の損傷、およびネットワークとしてあるライフラインが機能を喪失する事故が及ぼす影響の大きさと回復の難しさを目の当たりにし、さらにそのリスクはこれからもあり続けることを再認識しています。現在も続く事故への対応や構造物の健全性確保にとどまらず、より広い観点からの議論が必要と考えます。 その際の観点とは、何でしょうか。 たとえば、 ①道路というインフラの地下には複数のライフラインというインフラが存在していること ②これら地下にあるライフラインはいずれも目に見えづらいが、私たちのごく身近にネットワークとして存在していること ③上水道と下水道も地域の水循環の一部を担っていること ④これらインフラの整備、利用、維持管理には費用がかかり、その負担の仕組みもわかりづらいこと ⑤これまでの歴史のなかで作られてきた構築環境(built environment)のなかで「私たち」は生きていること ⑥幅広い「私たち」の理解と合意がなければ対策は進まないこと などを視野に入れた上での課題解決の道を見出し、あわせて、インフラを使う「私たち」が、インフラとともにどう生きていくかを「自分ごと」として考える社会を目指す必要があるのではないでしょうか。 これだけのことを、一人で、一つの専門やセクターで考えることはできません。私たちの土木学会には、実に幅広い分野の土木技術者がいます。この力を活かし、土木学会は、あらゆる境界をひらき、これまで以上に、インフラメンテナンスとマネジメントのための広い意味での技術に取り組んでいきたいと考えます。そのための対話と議論の場をこれから準備していきます。 同時に、直接その議論の場に参加しない会員も、「自分ごと」として下水道をはじめとする身近なインフラとどう向き合うか、職場、家族、近所などの身近な人と話していただきたい。土木学会には、学会誌という膨大な知のストックがあります。提言や声明もあります。これらも活用しながら、自分の領域を固定せず、直面する課題に一人ひとりが関心をもち、対話していくことが、社会を、未来をより良い方向に進めていく基礎体力を育むと信じています。 3万8千人の会員の皆さんには、オール土木学会として、この難しい問題に取り組んでくださるよう、ご協力をお願いします。 2025年2月26日 第112代土木学会会長 佐々木 葉 ーーーーーーーーーーーー 詳細、参考資料はこちらのURLから https://committees.jsce.or.jp/chair/1...
第112代土木学会会長特別プロジェクト ~土木学会の風景を描くプロジェクト~ 01交流の風景プロジェクト ~クマジロウの教えてドボコン動画配信~ https://committees.jsce.or.jp/2024_Presidential_Project/01interaction 第112第土木学会会長のプロジェクトの1つ「クマジロウの教えてドボコン動画配信」では佐々木葉会長の家族のくまのぬいぐるみ“クマジロウ”が、土木学会のコンシェルジュの“ドボコン”に素朴な質問をします。短い動画で土木学会のしくみや活動をお伝えします。あれ?そうなの?なぜ?と今までのあたりまえを考えるきっかけになるかも。気楽にお楽しみください。 2024年度会長プロジェクト 土木学会の風景を描くプロジェクト https://committees.jsce.or.jp/2024_Presidential_Project/ #土木学会#会長#葉さん#風景#描く#交流#場#クマジロウ#ドボコン#D&I#安心感
D&I -ダイバーシティ・アンド・インクルージョン- いろいろなところで目にするようになったこのキーワード。あなたにとってはどんな存在ですか?近い?遠い?大切?難しい?めんどうくさい? このD&Iカフェトークでは、意外と身近にあるこんな働き方、生き方についておしゃべりしています。店主は土木学会でD&Iを考えているチームのメンバーです。土木に限定せず、でも日頃土木の世界にいる人たちの興味からゲストをお招きして、ラジオ感覚で聴けるトークをお届けしています。 学会に縁のない方、学生さんなど、どなたでもふらっと、気楽にお立ち寄りください。
ドボクのラジオ(ドボラジ)では、土木関係者や土木好きの方をゲストにお迎えし、中央区を中心に東京のインフラに関する旬な話題や、土木の魅力をわかりやすく、そして熱く語っていただいております。皆さんに、少しでも土木に興味を持っていただき、土木を身近に感じてもらうキッカケとなるような情報を発信していきます。