[B11] 糖転移ルチンの正常細胞に対する放射線防護効果の検討
キーワード:放射線防護剤, 糖転移ルチン, 間接効果
現在放射線は医学、農業、産業など様々な分野で用いられているが、その反面生体への影響も大きくこれらの影響を低減することは重要な課題である。そこで本研究ではこれらの影響の低減を目的に、高い抗酸化効果を有している糖転移ルチンの放射線防護効果について放射線にはγ線、正常細胞にはCHO細胞を用いて検討した。細胞毒性、DNA損傷評価はコロニー形成、姉妹染色分体交換(SCE)、γH2AXのアッセイを用いて評価した。結果については、糖転移ルチンは比較的低線量の領域でわずかながら細胞毒性を抑えることができた。生体にとって深刻な損傷のDNA二重鎖切断の指標であるγH2AXについては抑えることはできなかったが、SCEの誘発は抑えたことから、上記の細胞毒性は塩基損傷の数を低減したことによるものだと考えられる。