日本原子力学会 2014年春の年会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学 » 203-3 ビーム利用・ターゲット

[D28-32] パルスラジオリシス

2014年3月27日(木) 14:30 〜 15:50 D (1号館 11A)

座長:羽島良一(JAEA)

[D30] フェムト秒パルスラジオリシスを用いたレジスト高分子の放射線化学初期過程に関する研究

井河原大樹1, 近藤孝文1, 田川精一1, 楊金峰1, 法澤公寛1, 菅晃一1, 吉田陽一1, 神戸正雄1 (1.阪大 産業科学研究所 )

キーワード:高分子, 放射線化学, パルスラジオリシス, フォトカソードRF電子銃

フェムト秒パルスラジオリシスを用いて、レジスト高分子の放射線化学初期過程を観測した。次世代の極端紫外光半導体リソグラフィーでは、レジスト高分子のイオン化により反応が開始する。そのため、レジスト高分子のイオン化から始まる放射線化学初期過程の解明が重要である。今回の発表では、レジスト高分子のモデル化合物であるポリαメチルスチレンをテトラヒドロフラン・ジクロロメタンの混合溶媒に溶かしたサンプルを測定に用いた。テトラヒドロフランは、ポリαメチルスチレンにホールを移さず、またジクロロメタンはイオン化によって生成した溶媒和電子を捕捉した。従って、ポリαメチルスチレンの直接イオン化によるフェニルダイマーラジカルカチオンの生成・減衰過程が本溶媒系では観測され、固体高分子レジストの単分子内での反応を再現していると考えられる。