日本原子力学会 2014年春の年会

講演情報

一般セッション

IV. 核燃料サイクルと材料 » 404-3 燃料再処理

[G25-28] 廃液特性と核種挙動

2014年3月27日(木) 10:50 〜 11:55 G (1号館 11D)

座長:松村達郎(JAEA)

[G26] 再処理施設における放射性物質の移行挙動に関する研究

(8)コールド工学試験

阿部仁1, 真崎智郎1, 渡邊浩二1, 鈴木慎也1, 田代信介1, 天野祐希1, 山根祐一1, 吉田一雄1, 内山軍藏1, 上田吉徳2, 藤根幸雄2, 横塚宗之2, 柴田勇木3, 小玉貴司3, 松岡伸吾3 (1.JAEA, 2.JNES, 3.日本原燃(株))

キーワード:再処理施設, 高レベル濃縮廃液, ルテニウム

再処理施設の高レベル濃縮廃液が、設計上の想定を超えて沸とう・乾固状態に至る過程での放射性物質放出挙動データを取得している。揮発性の観点からRuは公衆への影響評価上重要な元素である。気相部温度や雰囲気組成を一定条件で制御できる気相部移行試験装置を用いて、同廃液・乾固物から気相へ移行する際のRuの化学形と考えられるRuO4の移行経路での移行率データを取得した。供給ガスと同じ温度に維持した恒温槽内に設置した約2mのガラス製反応管(6cmφ)にRuO4ガスを同伴ガスと混合させて流通させ、通過したRuを捕集・定量することでRuの移行率を測定した。同伴ガスがN2の場合はRuは全量が反応管内壁に沈着したが、硝酸蒸気が共存するとほぼ全量が反応管を通過した。この結果は、再処理特有の気相条件下では、RuO4は従来報告されてきた気相中での熱分解や壁面への沈着を経ず気相中を移行することを示唆するものである。