[G36] 表面開始原子移動ラジカル重合法(SI-ATRP)による感応性ポリマー/シリカハイブリッド粒子の合成とランタノイド分離への応用
キーワード:ポリマー, 分離, ランタノイド, ラジカル重合, ハイブリッド粒子
32℃近傍に相転移温度を有するポリイソプロピルアクリルアミド(PNIPAM)と、f軌道元素への配位サイトとなり得るモノマーとを共重合させることで、温度変化のみでLnイオンの吸・脱離が可能な感応性ポリマー/シリカハイブリッド粒子の開発を試みた。表面開始原子移動ラジカル重合(ATRP)法を採用することで、シリカ粒子表面上から、分子量・分子量分布の極めて制御されたポリマーを成長させることに成功した。表面に化学的にポリマーが固定化されているため、酸・アルカリ耐性も極めて高く、ポリマーの溶出等も生じない。合成したハイブリッド粒子を用いて、La(III)、Ce(III)、Nd(III)、Sm(III)、Eu(III)、Lu(III)イオンを含む硝酸水溶液の吸・脱着試験を実施したところ、これらイオンは低温側で吸着し、昇温後、ポリマー鎖が急激に凝縮するため、40℃で殆ど全てが脱離することが分かった。