[J37] ダイヤモンド検出器の電荷キャリア輸送特性に対する生成キャリア密度の影響
加速器における高エネルギー電子線や重イオン照射においてダイヤモンド検出中には大量の電荷が発生し、電荷収集効率が低下する。これまでにSPring-8における8GeV電子ビーム照射実験では電荷収集効率が入射電子数と阻止能から予想される100分の1未満まで低下した事例がある。また、重イオン照射においてもSi検出器による波高欠損が報告されている。これらの原因としては結晶中の不純物や欠陥による電荷捕獲、電荷キャリアの再結合が考えられる。そこで本研究では単結晶CVDダイヤモンドを合成し、検出器中でのエネルギーデポジット、生成キャリア密度と収集効率の関係を調べた。評価にはα線誘導電荷量分布測定、UVパルスレーザによるTOF測定により電荷収集効率、移動度やキャリア寿命の評価を行った後、UVパルスレーザのエネルギーを増加させ、電荷収集効率の生成キャリア密度依存性を定量的に求めた。