2016年秋の大会

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一般セッション

V. 核融合工学 » 501-2 核融合炉材料工学(炉材料,ブランケット,照射挙動)

[1M12-16] 核融合炉材料(SiC,タングステン)

2016年9月7日(水) 15:50 〜 17:15 M会場 (久留米シティプラザ 大会議室3)

座長:片山 一成(九大)

16:35 〜 16:50

[1M15] 重イオン照射されたタングステン中における水素同位体滞留挙動への照射欠陥分布影響

*藤田 啓恵1、植村 有希1、桜田 翔大1、東 奎介1、周 啓来1、外山 健2、吉田 直亮3、波多野 雄治4、近田 拓未1、大矢 恭久1 (1.静大院総合科学、2.東北大金研、3.九大応力研、4.富山大水素研)

キーワード:タングステン、重イオン照射、第一壁、水素同位体

核融合炉のプラズマ対向材料候補であるタングステン(W)は炉運転中に14 MeV中性子が照射され、水素同位体の安定な捕捉サイトとなる照射欠陥が導入される。過去の研究から、中性子照射Wではバルク中へ均一に照射欠陥が導入されるため、表面付近に高濃度の照射欠陥が導入される重イオン照射Wとは水素同位体滞留挙動が大きく異なり、照射欠陥分布の影響が示唆された。本研究では、W中における水素同位体滞留挙動への照射欠陥分布の影響を理解するため、エネルギーの異なる鉄イオンを照射した後に重水素イオン照射を行い、昇温脱離法によって重水素滞留挙動を評価した。さらに、シミュレーションにより捕捉エネルギーを算出した。実験結果から、表面付近の欠陥が増加すると、重水素の脱捕捉効果が促進され、安定な捕捉サイト中の重水素滞留量が減少する可能性が示された。