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[2I12] 福島原発事故で発生した廃棄物の合理的な処理・処分システム構築に向けた基盤研究
(52) トリクルベッド反応器による汚染水からのトリチウム回収
キーワード:トリチウム、放射性汚染水、トリクルベッド、白金触媒、水・水素同位体交換
福島第一原子力発電所事故により70万m3 に及ぶ放射性汚染水が発生している。この汚染水にはトリチウム(T)が含まれ、今のところ海洋放出ができない状況にある。本研究では、海水成分を含む模擬汚染水から、トリクルベッド分離により、Tの代替物質として重水素(D)を取り除くことを試みた。小塔径カラム型のトリクルベッド分離試験において、親水部に模擬汚染水を、触媒層である疎水部に水蒸気・水素を流すことにより触媒の活性劣化を抑制し、触媒活性を長時間維持することができた。さらに、白金触媒の水蒸気・水素間のD移動速度および、水・水蒸気間のD移動速度を実験的に求め、プロセス規模を評価した。トリクルベッド法の適用により、プロセス規模の小型化が期待でき、実用的なT回収プロセスの構築が可能である。