2016年春の年会

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一般セッション

V. 核融合工学 » 501-2. 核融合炉材料工学(炉材料,ブランケット,照射挙動)

[3L09-15] 核融合炉材料工学(低放射化構造材料)

2016年3月28日(月) 14:45 〜 16:30 L会場 (講義棟C棟 C105)

座長:西谷 健夫(核融合研)

15:00 〜 15:15

[3L10] He+イオン照射されたパイロクロア型酸化物のHe捕捉

*土屋 文1、山本 琢也2、大澤 一人3、オデット・ロバート ジョージ2 (1.名城大・理工、2.カリフォルニア大・サンタバーバラ校、3.九大・応力研)

キーワード:パイロクロア型酸化物、反跳粒子検出(ERD)法、第一原理計算、ヘリウム、捕獲、酸素空孔

フェライト鋼にナノサイズの微細粒子(パイロクロア型酸化物(Y2Ti2O7))を分散させた補強材料が核融合炉の構造材の候補の一つとして挙げられている。Y2Ti2O7の分散によって、転位の運動の抑制による材料強度の増加や、プラズマ粒子(He, H等)の捕捉によるボイドスウェリング(膨張)や粒界脆化の抑制が期待される。しかし、このY2Ti2O7の機能が照射効果により劣化することが考えられる。本研究では、イオンビーム分析法である反跳粒子検出(ERD)法および第一原理計算法を用いて、He+イオン照射されたY2Ti2O7中のHeの捕獲について調べた。その結果、イオン照射されたHeはY2Ti2O7中の四面体および八面体型格子間位置よりも照射により形成された酸素空孔欠陥を占有することがわかった。さらに、He+イオン照射されたFe中のHeの最も安定な占有位置と比較すると、HeはFeよりもY2Ti2O7中に捕獲されることがわかった。