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[1A08] 鉄リン酸塩ガラスによる鉄共沈スラリーの安定化処理
キーワード:鉄リン酸塩ガラス、ガラス固化、汚染水、二次廃棄物
福島第一原子力発電所の放射性核種除去設備で発生した鉄共沈スラリーを鉄リン酸塩ガラスとして安定化する方法について、小型電気炉を用いた模擬固化試験により検討した。ガラス原料として、スラリーの主成分である水酸化鉄自身を直接使用することにより、リン化合物を添加して加熱溶融する簡易なプロセスで、廃棄物量を抑制した固化処理が可能となる。本研究では、含水水酸化第二鉄,リン酸およびコバルト等模擬廃棄物成分を混合し、脱水後、溶融固化するプロセス、および、脱水乾燥処理によりオキシ水酸化鉄に変化させた後、酸化リンを添加して溶融固化するプロセスの2つの成立性を検討した。Fe/Pを0.43に調整した試薬を充填したアルミナるつぼ内で、1200°Cで2時間溶融処理し、電気炉内で自然冷却することで、どちらのプロセスでも、鉄リン酸塩ガラス固化体を作製できた。1000°Cで1時間の処理では、ガラス化はできなかったものの、リン酸鉄結晶固化体が形成された。