[1B15-19] トリチウム増殖材料

[1B15] 革新的先進トリチウム増殖材料Li_2+xTiO_3+y及びLi₂ZrO₃固溶体の特性評価

*星野 毅¹ (1. 量研機構)

キーワード：先進トリチウム増殖材料、リチウムセラミックス、固溶体、微小球、エマルジョン法

核融合エネルギー開発の早期実現をはかることを目的として行う研究開発である幅広いアプローチ(BA)活動の一環として、高温長時間使用時においても化学的安定性に優れた先進トリチウム増殖材料開発を行っている。従来のLi添加型Li₂TiO₃は、Li/Ti比が2.15を越えると化学的安定性の低下の要因となるLi₄TiO₄が生成されるため、Li添加量には制限を有する。そこで、より高いLi原子密度を有する革新的先進トリチウム増殖材料の創成を目標とし、Li/Ti比2.15～2.29の範囲で原料調整したLi添加型Li₂TiO₃に、20wt%のLi₂ZrO₃を混合した、特殊な固溶体微小球の製造及び特性評価を行った。エマルジョン法にて造粒した結果、本固溶体微小球は、焼成後のLi/Ti比が2.29の場合でも、不純物を含まない単一相の固溶体微小球であることを明らかにし、高いトリチウム増殖比(高TBR)を有するブランケット設計に貢献する、新たな材料開発の基盤技術を確立した。