2017年春の年会

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一般セッション

IV. 核燃料サイクルと材料 » 405-2 放射性廃棄物処分と環境

[1H09-12] 核種移行

2017年3月27日(月) 16:05 〜 17:10 H会場 (16号館 16-303教室)

座長:濱 克宏 (JAEA)

16:05 〜 16:20

[1H09] カルシウムシリケート水和物の形成およびセシウム収着挙動に及ぼすホウ酸塩の影響

*原 直哉1、千田 太詩1、新堀 雄一1 (1. 東北大学)

キーワード:カルシウムシリケート水和物、ホウ酸塩、セシウム、収着

福島第一原子力発電所の廃炉作業に伴い発生する廃棄物には,事故時のホウ酸水注入によって多量のホウ酸塩が付着していると考えられる.ホウ酸塩はセメント凝結反応を阻害することが知られており,廃棄物のセメント固化を想定した場合には,ホウ酸塩の混在がセメント水和や核種閉じ込め性能に及ぼす影響を評価する必要がある.本研究では,セメント系材料中の主要成分であるカルシウムシリケート水和物(C-S-H)に注目し,C-S-H生成および,CsのC-S-Hへの収着についてホウ酸塩濃度の依存性を調べた.その結果,ホウ酸塩1 mM程度までは,C-S-H生成やCs収着に大きな変化は確認されなかった.一方,0.6M程度のホウ酸塩共存下では,C-S-H生成が不安定になるとともにCs収着が低下する傾向が見られ,廃棄物のセメント固化における高濃度のホウ酸塩の存在が核種閉じ込め性能を低下させる可能性が示唆された.