2017年春の年会

講演情報

一般セッション

IV. 核燃料サイクルと材料 » 403-1 原子炉化学,放射線化学,腐食化学,水質管理

[2I05-09] ラジオリシス

2017年3月28日(火) 10:35 〜 11:55 I会場 (16号館 16-304教室)

座長:塚田 隆 (JAEA)

11:05 〜 11:20

[2I07] 塩化物水溶液系の放射線分解生成物の物質収支の評価

*永石 隆二1,2、井上 将男1、近藤 孝文2、神戸 正雄2、吉田 陽一2、桑野 涼1 (1. 日本原子力研究開発機構、2. 大阪大学)

キーワード:塩化物イオン、放射線分解(直接作用)、放射線分解生成物、プライマリ収量、物質収支

海水等の塩化物イオンが溶存する水溶液系では,塩化物濃度が高くなると,塩化物の放射線分解(直接作用)だけでなく,水の分解生成物のプライマリ収量の変動(間接作用)が起きる。ここで,水と塩化物由来の(プライマリ)生成物の収量は水溶液中の反応解析に必須の入力データであり,塩化物濃度に依存して変わるが,それらの物質収支は塩化物濃度に依存せずに保たれている。ただし,時間経過に伴う二次反応等で生成物の複雑さが増すために物質収支の評価が困難になり,物質収支を満足しない条件で生成物の収量を入力データに用いて反応解析を行うと,誤った結果を導くことになる。そこで本研究では,低LET放射線を用いた実験結果をもとに,塩化物水溶液中の分解生成物の物質収支の評価を行うとともに,関連する文献値等の検証を試みた。