[3G06-07] 最新原子力発電所の試運転状況

[3G06] AP1000^®初号機の試運転結果

(1)静的炉心冷却系

*佐野 祐太¹、ブルダ ライアン²、ライト リチャード² (1. ウェスチングハウス・エレクトリック・ジャパン株式会社、2. ウェスチングハウス・エレクトリック・カンパニー)

キーワード：加圧水型原子炉、静的安全系、AP1000、試運転

ＡＰ１０００は、静的安全概念を採用した最新鋭のＰＷＲであり、事故時または過渡事象時、重力や圧縮ガスの圧力、水の蒸発や蒸気の凝縮、水や空気の密度差に伴う自然循環力などを利用して、７２時間まで運転員の操作なしに原子炉を安全な停止状態へと収束可能なプラントである。ＡＰ１０００は、格納容器内に配置されている、残留熱除去機能を有する静的残留熱除去熱交換器、高圧注入機能を有する炉心補給水タンク、低圧注入機能を有する格納容器内燃料取替用水タンク及び低圧注入を達成するための自動減圧系から構成される静的炉心冷却系にて、原子炉の安全停止が達成・維持される。現在、ＡＰ１０００の初号機の試運転が中国で行われている。本稿では、試運転結果の内、ＡＰ１０００の静的炉心冷却系に関する試験結果を報告する。