2018年春の年会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学 » 202-2 放射線物理,放射線計測

[2H05-09] 放射線検出器

2018年3月27日(火) 10:35 〜 11:55 H会場 (U2棟 U2-213)

座長:谷口 良一 (阪府大)

11:05 〜 11:20

[2H07] カーボンナノチューブ分散材料の量子ビーム照射による電気抵抗の変化

*青木 祐介1、小林 知洋2、大竹 淑恵2、寺井 隆幸1 (1. 東京大学、2. 理化学研究所)

キーワード:中性子、イオン照射、カーボンナノチューブ

中性子は物質透過能が高く、特定核種との散乱または反応断面積が高いことから、コンクリート内部の劣化診断やガン治療など、様々な分野での利用が期待されている。特に医療応用では、局所線量を正確に把握する必要があり、小型の線量計が不可欠である。現存する線量計は読み取り処理が必要であったり、リアルタイム計測が可能でも小型化が難しいといった問題が存在する。本研究では、カーボンナノチューブ(CNT)の照射損傷による導電率変化を利用した小型中性子線量計の開発を目的としている。炭化ホウ素(B4C)とシリコーン粘土の複合材にCNTを混練することにより導電性とし、B(n,α)Li反応よる損傷による導電率の変化を計測した。また、加速器によりCNT積層膜に直接Heイオン照射を行うことにより、挙動の比較を行った。その結果、ガン治療で必要な中性子照射量範囲において導電率の変化が認められ、線量計としての可能性が示された。