2018年春の年会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学 » 203-3 ビーム利用・ターゲット

[2I05-10] イオンビーム応用

2018年3月27日(火) 10:35 〜 12:10 I会場 (U2棟 U2-214)

座長:神戸 正雄 (阪大)

11:05 〜 11:20

[2I07] 重イオンビームグラフト法で作製したカチオン・アニオン交換膜の輸送特性評価と海水電気透析への応用

*澤田 真一1、後藤 光暁2、越川 博1、喜多村 茜3、比嘉 充2、八巻 徹也1 (1. 量子科学技術研究開発機構、2. 山口大学、3. 日本原子力研究開発機構)

キーワード:重イオンビームグラフト、カチオン交換膜、アニオン交換膜、海水電気透析

本研究では、重イオンビームグラフト法でカチオン交換膜(CEM)とアニオン交換膜(AEM)を作製し、製塩のための海水濃縮電気透析に応用した。フッ素樹脂基材膜へのXeまたはKrイオン照射後、スチレンスルホン酸エチルエステルのグラフトと加水分解によってCEM、クロロメチルスチレンのグラフトと四級化によってAEMを得た。イオン交換容量を0.5-0.6 mmol/g程度と低く調節したCEMとAEMは、市販膜よりも低い抵抗と高いイオン輸率を示した。これらの膜を電気透析セルに装着してモデル海水(0.5 mol/Lの食塩水)の濃縮試験を実施した。グラフトCEMと市販AEM、または市販CEMとグラフトAEMを組み合わせたとき、濃縮海水の濃度は市販CEMとAEMの場合を上回り、それぞれ4.3、3.8 mol/Lに達した。重イオンビームグラフトCEMおよびAEMの海水濃縮への優れた適用性が明らかとなった。