2019年秋の大会

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一般セッション

VI. 核融合工学 » 601-2 核融合炉材料工学(炉材料,ブランケット,照射挙動)

[3L10-12] ブランケット機能材料

2019年9月13日(金) 14:45 〜 15:35 L会場 (共通教育棟 2F E22)

座長:笠田 竜太(東北大)

15:00 〜 15:15

[3L11] フッ化水素を含む溶融FLiNaK塩中における構造材料の腐食機構の電気化学測定による解明

*山崎 樂1、長坂 琢也1,2、八木 重郎3、後藤 琢也4、田中 照也1,2、渡邉 崇5、相良 明男1,2 (1. 総研大、2. 核融合研、3. 京大、4. 同志社大、5. 電通大)

キーワード:溶融塩ブランケット、FLiNaK、フッ化水素、腐食、電気化学

フッ化水素による構造材料の腐食は,溶融塩ブランケットの寿命決定要因である。本研究の目的は,従来の100 mol/m3に加え,1~10 mol/m3のフッ化水素(HF)を含む溶融FLiNaK (LiF-NaF-KF=46.5:11.5:42.0) 塩中での電気化学測定に基づく,1 molHF/m3程度のブランケット環境での構造材料の腐食機構推定である。
 500℃のFLiNaK中に,低放射化フェライト鋼の主成分である純鉄を浸漬し,電位―電流曲線を得た。
 浸漬時の電位(腐食電位)での腐食速度は,HF濃度に伴い増加した。さらに,腐食電位から負方向には,電流値が一定かつHF濃度に正比例する領域が現れた。この挙動は,拡散係数を一定とした場合のフィックの第一法則により説明できる。よって,腐食の律速過程は,純鉄表面近傍におけるFLiNaK境界層中のHFの拡散であると考えられる。