2019年春の年会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 505-2 放射性廃棄物処分と環境

[1C13-15] 人工バリア変質

2019年3月20日(水) 15:45 〜 16:30 C会場 (共通教育棟2号館 1F 11番)

座長:朝野 英一(原環セ)

16:15 〜 16:30

[1C15] 処分場周辺流動場を想定した過飽和ケイ酸の析出による透水性変化に関する基礎的研究

*田中 翔悟1、小堤 健紀1、千田 太詩1、新堀 雄一1 (1. 東北大学大学院)

キーワード:地層処分、析出、流動場、透水性、核種移行抑制

処分場建設に使用されるセメント系材料によって高アルカリ化する周辺地下水は、岩盤主成分であるケイ酸を溶出させる一方、混合や分散に伴うpH低下に従って過飽和となり、微細流路にケイ酸が析出すると考えられる。このような岩盤亀裂内のケイ酸析出による核種移行抑制効果を評価するため、流動場における過飽和ケイ酸の析出に伴う透水性変化を検討した。実験では、アモルファスシリカを充填したカラムに、カラム注入直前で過飽和となるように調整したケイ酸溶液(pH 8)を通液し、カラム内の浸透率変化を調べた。また,所定時間毎に漏出液中のケイ酸濃度を測定し、析出量を求めた。実験結果より、過飽和ケイ酸はカラム内で速やかに析出し、浸透率が低下した。しかし、浸透率低下はケイ酸析出が一次間隙(粒子間)を充填すると仮定した場合に比べて小さく、過飽和ケイ酸が固相の一次間隙のみならず粒子内部の二次間隙にも有意に析出することが示唆された。