[2C01-06] 核種移行・収着

[2C01] 放射性廃棄物の処分環境を考慮したCa-Al-Si系水和物へのユウロピウムの収着挙動に関する基礎的研究

*種市 やよい¹、千田 太詩¹、新堀 雄一¹ (1. 東北大学大学院工学研究科)

キーワード：放射性廃棄物Ca-Al-Si、放射性廃棄物、ユウロピウム

高レベル放射性廃棄物および一部のTRU廃棄物は地層処分される予定であり，その処分場建設には多量のセメント系材料が使用される．本研究では，処分場周辺に二次鉱物として析出すると予想されるCa-Al-Si系水和物と，3価の陽イオン核種であるユウロピウムとの相互作用について，蛍光分光分析により検討した．収着実験では，Ca-Al-Si系水和物を乾燥過程を経ずに用い，Ca/Siモル比，Al/Siモル比，温度および収着期間をパラメータとして，ユウロピウムとの相互作用を調べた．蛍光発光スペクトルおよび蛍光寿命測定より，Ca/Si比が高く，かつAl/Si比の低い試料において，Ca-Al-Si系水和物にユウロピウムが取り込まれる可能性が示唆されるとともに，それら試料組成の依存性は温度が高い条件においてより顕著に見られた．これらのことから，ユウロピウムは比較的pHが高い処分環境において加水分解により沈殿するのみならず，Ca-Al-Si系水和物と相互作用するために，さらなる遅延効果が期待できると考えられる．