2019年春の年会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学および医学利用 » 201-1 原子核物理,核データ測定・評価・検証,核反応工学

[2E01-05] 核種生成断面積、弾き出し断面積、PHITS

2019年3月21日(木) 09:30 〜 10:50 E会場 (共通教育棟2号館 2F 22番)

座長:大津 秀暁(理研)

09:45 〜 10:00

[2E02] 0.4~3 GeV領域の陽子入射における銅及びアルミの弾き出し断面積の測定

*明午 伸一郎1、松田 洋樹1、岩元 洋介1、岩元 大樹1、前川 藤夫1、長谷川 勝一1、吉田 誠2、中本 建志2 (1. J-PARC/日本原子力研究開発機構、2. J-PARC/高エネルギー加速器研究機構)

キーワード:弾き出し断面積、加速器駆動型核変換システム、NRT モデル、PHITS、0.4~3 GeV

加速器駆動型の核変換システム(ADS)では、加速器の真空領域と標的領域の隔壁となるビーム入射窓の開発が重要となる。ビーム窓の損傷評価には、原子当たりの弾き出し数(DPA)が用いられるが、DPAの導出に用いられる弾き出し断面積の実験データは20 MeV以上のエネルギー領域に殆どない。このため、ADSにおいて候補となる0.4~3 GeV陽子における弾き出し断面積の測定を開始した。弾き出し断面積は、損傷を維持するため極低温に冷却された試料の陽子入射に伴う抵抗率変化を陽子フルエンスとフランケル対当たりの抵抗率変化を除することにより導出できる。実験はJ-PARCセンターの3 GeV陽子シンクロトロン施設で行い、試料には銅及びアルミを用いた。実験で得られた断面積と一般的に弾き出し断面積の計算に使用されるNRTモデルの計算との比較の結果、NRTモデルの計算は実験を約3倍過大評価することが判明した。