2020年春の年会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 504-2 核化学,放射化学,分析化学,アクチノイドの化学

[1E10-12] 分析技術2

2020年3月16日(月) 15:50 〜 16:40 E会場 (共通講義棟 M棟1F M-1)

座長:長谷川 秀一(東大)

15:50 〜 16:05

[1E10] 福島第一原子力発電所で採取された事故廃棄物中のSn-126分析法の開発

*青野 竜士1,2、佐藤 義行1,2、石森 健一郎1,2、亀尾 裕1,2 (1. JAEA、2. IRID)

キーワード:福島第一原子力発電所、Sn-126、陰イオン交換、放射化学分析

東京電力福島第一原子力発電所事故により発生した廃棄物(以下、「事故廃棄物」という)の処理処分を行うためには、瓦礫や汚染水などに含まれる放射性核種の種類や濃度を明らかにする必要がある。このため、事故廃棄物の分析を進めるとともに、放射能濃度の確認が必要な核種の中で分析手法が確立されていない難測定核種について分析法の開発を行った。本検討では難測定核種であるSn-126の分析法の開発を目的とし、陰イオン交換によりCs-137やSr-90のような妨害核種とSnを分離した後、低エネルギー光子検出器(Ge-LEPS)を用いてSn-126を定量する条件を検討した。また、開発した分析法の適用性確認のため原子炉建屋内で採取された瓦礫や汚染水中のSn-126の分析を行った。適用性確認の結果、妨害核種と効率よく分離することができ、目標とした検出限界値を達成した。これにより、事故廃棄物において初めてSn-126を検出し、事故時におけるSnの拡散挙動の解明の手掛かりを得ることができた。