2020年春の年会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学および医学利用 » 203-3 ビーム利用・ターゲット

[2O16-17] 中性子計測・分析技術

2020年3月17日(火) 16:55 〜 17:30 O会場 (共通講義棟 S棟3F S-34)

座長:豊川 弘之(産総研)

16:55 〜 17:10

[2O16] 粒子輸送シミュレーション計算を利用した中性子共鳴吸収分光法による温度解析法の改善

*貞永 直樹1、佐藤 博隆1、加美山 隆1 (1. 北大)

キーワード:パルス中性子、中性子共鳴吸収、温度測定、粒子輸送シミュレーション計算、PHITS

中性子共鳴吸収分光法による温度測定法は、透過中性子または捕獲γ線の計数と中性子TOF法を組み合わせることで得られる中性子共鳴吸収スペクトルをプロファイル解析することで、核種の温度情報を取得する手法である。これに関し、粒子輸送シミュレーション計算で温度依存の共鳴吸収スペクトルを計算し、共鳴吸収スペクトルの特徴点(共鳴吸収ピーク幅やスペクトル積分強度など)と試料温度の間の検量線を作成する手法を開発してきた。これまで、特徴点としてスペクトル積分強度が有望であったが、厚さが薄い試料に関してはピーク幅を使用した場合よりも正確度が低かった。本研究では、原子核のドップラー効果に加えて物質の熱膨張効果も考慮することで、スペクトル積分強度-試料温度間の検量線の正確度がより高くなることを確認した。これにより、薄い試料から中性子全吸収が起こるような厚い試料まで使用できる統一的な検量線作成法を開発できることが期待される。