11:00 〜 11:15
[3O05] イオンビーム及びX線照射に伴う模擬文化財試料の損傷のFT-IR測定
キーワード:文化財分析、放射線損傷、吸収線量、化学結合、FT-IR
目的:PIXE,RBS等のイオンビーム分析やXRF等のX線分析による文化財の測定は,貴重な試料を損傷する潜在的なリスクを伴う.そこで,絵画の分析を想定し,絵具の基材としての膠を模擬したゼラチン試料を用意し,これらに陽子線またはX線を照射後,試料表面の化学結合の変化を調べた.
方法:陽子線照射は2.5 MeV陽子を用いて真空中で行った.X線照射にはAgターゲットのX線管を用い,管電圧は40 kVとした.試料の吸収線量はそれぞれ100 kGy,10 Gy程度であった.表面の化学結合の変化はFT-IR(フーリエ変換赤外分光分析)で行った.
結論:陽子線照射によりFT-IRスペクトル上でN-H,C=O等の化学結合に起因する吸収ピークの強度に変化が見られ,アミド基の一部が分解されたことが示唆された.一方,X線照射ではスペクトルに有意な変化は見られなかった.
方法:陽子線照射は2.5 MeV陽子を用いて真空中で行った.X線照射にはAgターゲットのX線管を用い,管電圧は40 kVとした.試料の吸収線量はそれぞれ100 kGy,10 Gy程度であった.表面の化学結合の変化はFT-IR(フーリエ変換赤外分光分析)で行った.
結論:陽子線照射によりFT-IRスペクトル上でN-H,C=O等の化学結合に起因する吸収ピークの強度に変化が見られ,アミド基の一部が分解されたことが示唆された.一方,X線照射ではスペクトルに有意な変化は見られなかった.