[2H15-18] 検出器および解析法高度化

[2H15] 自己出力型ガンマ線検出器の高感度化

*岡田 耕一¹、伏見 篤¹、佐藤 義人¹ (1. 日立)

キーワード：原子力発電、核計装、ガンマ線、線量率、自己出力型ガンマ線検出器

原子炉出力監視向けに自己出力型ガンマ線検出器(SPGD)を開発している。定格運転時だけでなく停止後の崩壊熱監視も対象としており，100 Gy/h程度の線量率を監視できる必要がある。感度が約20 pA/(kGy/h)の従来構造のSPGDでは感度が1桁程度不足することが課題である。そこで感度目標を200 pA/(kGy/h)と設定し，感度を向上させる構造について検討した。方針は検出部であるエミッタにおけるガンマ線の相互作用確率の向上と電子の自己吸収割合の低減である。高感度案の確認のため複数のSPGDを試作し，照射試験により線量率に対する線形性と感度を評価した。その結果，エミッタの体積を増加させ，自己吸収を抑制した構造において100 Gy/hから3000 Gy/hの範囲で線量率線形性を確認でき，その時の感度は2000 pA/(kGy/h)と目標の10倍以上であった。