2021年秋の大会

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VII. 保健物理と環境科学 » 保健物理と環境科学

[2M01-08] 環境放射能2

2021年9月9日(木) 09:45 〜 12:00 M会場

座長:砂川 武義 (福井工大)

10:15 〜 10:30

[2M03] 福島における放射性物質分布調査

(9)福島県浪江町のスギ林における雨水及び137Csの深部浸透に対する樹幹流の影響

*飯田 光1、加藤 弘亮1、篠塚 友輝1、赤岩 哲1、庭野 佑真1、恩田 裕一1 (1. 筑波大)

キーワード:樹幹流、樹冠通過雨、土壌浸透水、放射性セシウム、福島第一原子力発電所事故

樹幹流は、樹幹付近への集中流入と樹木根系に沿った選択浸透流により、森林の水物資循環への影響が報告されている。本研究では、樹幹付近での雨水浸透が土層への137Csの移行に及ぼす影響に着目した。福島県浪江町のスギ林を対象に樹幹流、樹幹冠通過雨、土壌浸透水を採水し、137Cs濃度を分析した。土壌浸透水は、樹幹基部(Rd)と樹幹から離れた地点(Bt)に分け調査した。その結果、137Cs浸透フラックスは、Rd地点の方が5 cm深度で2.5倍、20 cm深度で3.7倍大きな値が得られた。また、樹幹流が発生したイベントとしなかったイベントに分けて解析すると、Rdの20 cm深度では、樹幹流無しの場合に比べ、樹幹流発生時に浸透水量が2.1倍大きいことが分かった。このことから、Rd地点では、樹幹流の発生により、樹木基部への集中的な137Csの流入と、深部への移行が促進された可能性が示唆された。