2021年春の年会

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一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学および医学利用 » 202-3 中性子源・中性子工学

[3D05-08] 中性子工学・小型中性子施設

2021年3月19日(金) 14:45 〜 16:00 D会場 (Zoomルーム4)

座長:坂佐井 馨 (JAEA)

14:45 〜 15:00

[3D05] アンフォールディング法における共分散を考慮した核データ不確かさの伝播解析

*青木 勝海1、金 政浩1、大塚 直彦2、山口 真矢1、Mary Alfonse George Mikhail1、Md Kawchar Ahmed Patwary1、渡辺 幸信1 (1. 九大、2. IAEA)

キーワード:アンフォールディング、不確かさ伝播、ランダムサンプリング、共分散、多重箔放射化法、エネルギー微分中性子収量

代表的な中性子スペクトル測定手法の一つに多重箔放射化法がある。放射化法は積分実験であるため、エネルギー微分中性子収量を導出するためには、いわゆるアンフォールディングによる解析が必要となる。しかしながら、既存のアンフォールディングコード(GRAVELやSAND-IIなど)の多くは実験誤差の伝播すら計算できず、まして核データの不確かさの伝播まで検討した報告はほとんどない。今回我々は、最もよく用いられているGRAVELコードにおける核データの不確かさの伝播を評価する手法を提案する。多重箔放射化法では核データに格納されている中性子励起関数が応答関数となる。今回新たにJENDL-4.0に格納されている励起関数が平均値となるように共分散に基づいてランダムサンプリングしたものを応答関数として用いて中性子収量分布を導出する試行を繰り返し実施した。なお、核種生成量はPHITS(核データJENDL-4.0)を用いて、C(d,n)中性子源による照射(Ed=20MeV、厚い炭素標的)で導出した値を用いた。得られた複数の中性子収量分布を統計解析することで、スペクトルの不確かさを評価することができる。本発表では、開発した手法や導出した不確かさの結果についての詳細を紹介する。