2021年春の年会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 505-2 放射性廃棄物処分と環境

[3J11-15] 核種移行・収着

2021年3月19日(金) 15:35 〜 17:00 J会場 (Zoomルーム10)

座長:高尾 肇 (日揮)

16:35 〜 16:50

[3J15] 蛍光分光測定と多変量解析を用いた深部地下水天然有機物と金属イオンの相互作用評価

*西 柊作1、斉藤 拓巳1 (1. 東京大学)

キーワード:地層処分、天然有機物、蛍光分光測定、PARAFAC、消光

高レベル放射性廃棄物処分において,地下水中に存在する天然有機物(NOM)は,放射性核種と錯生成することで,その移行挙動を大きく変えることが知られている.特に,表層環境のNOMに対しては,金属イオンとの結合を多様な環境条件下で表すことのできるモデルが提案されている.そのようなモデルを地層処分の安全評価で使用するためには,深部地下環境のNOMと核種との結合反応を評価し,表層環境のNOMと比較することで,両者の類似点や相違点を理解することが必要である.本発表では,NOMの蛍光が一般に金属イオンと結合することで消光されることに着目し,NOMを含む堆積岩系の深部地下水に,ユーロピウムを添加する消光実験を行った.そして,得られた励起蛍光マトリクスに対して,多変量解析法の一つである Parallel Factor Analysisを用いて,結合反応に寄与するNOMの蛍光成分を特定し,表層環境のNOM蛍光成分との比較から,その物理的・化学的性質や起源を議論する.