2022年秋の大会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 303-1 原子炉計測,計装システム,原子力制御システム/303-2 遠隔操作,ロボット,画像工学/303-3 ヒューマンマシンシステム,高度情報処理

[2K01-05] 計測デバイスとシステムおよびヒューマンファクタ

2022年9月8日(木) 10:30 〜 11:55 K会場 (E1棟4F 43番教室)

座長:五福 明夫(岡山大)

11:15 〜 11:30

[2K04] Safety-IIの観点からの原子力発電所におけるインシデント事例分析手法に関する研究

*堀内 友翔1、狩川 大輔1、高橋 信1 (1. 東北大)

キーワード:インシデント事例分析、ヒューマンファクター、Safety-II、レジリエンスエンジニアリング

原子力発電所のインシデントに対しては,品質マネジメントの一環で,関係する手順書の改訂等の再発防止対策がとられてきた。一方,社会技術システムの安全を「できるだけ多くのことが正しい方向へ向かうこと」と捉える新たな考え方(Safety-II)と,それを具現化する手法であるレジリエンスエンジニアリングが近年注目されている。本研究では,Safety-IIの考え方を活用し,手順書の範囲を大きく超えないレベルの原子力発電所のインシデントを分析する手法として,マニュアルに記載の指示と異なる行為を意図的に行った作業を分析対象として特定し,レジリエンスの4つのポテンシャル(対処,監視,予見,学習)の観点から分析する手法を提案した。提案手法を臨機応変な対応で重大事故等を回避した美浜発電所2号炉蒸気発生器伝熱管損傷事故に対して試行的に適用し,人間のポジティブな寄与に着目した安全性向上策の検討に資する可能性を示した。