11:45 〜 12:00
[3H10] タングステン材料の負水素イオンビームによる多重照射試験
(3)多重照射による材料損傷の観察
キーワード:タングステン、圧延材、繰り返し熱負荷、表面損傷
本研究では、負水素イオンビームによる多重照射(3MeV,5Hz)されたタングステンの損傷観察を行い、繰り返し短パルス熱負荷の影響を調べた。表面が圧延方向に垂直の試料では、照射領域に格子状のき裂が発生する。一方、表面が圧延方向に平行な試料では、楕円状のき裂が一面に発生し、粒界配向によりき裂形成の様式が異なることがわかった。また、き裂に囲まれた中心部は、繰り返し短パルス熱負荷時の塑性変形により発生したと考えられる凹凸部が観察される。さらに、熱負荷が大きい場合、その凸部が突起状に溶融凝固すると共に、周辺には深いき裂が形成され、深いき裂の間に突起が林立する特異な現象が見られる。