2022年春の年会

講演情報

一般セッション

V. 核燃料サイクルと材料 » 501-1 基礎物性

[1I01-08] シビアアクシデント・FP有効利用

2022年3月16日(水) 09:45 〜 12:00 I会場

座長:松村 哲夫 (東海大)

11:00 〜 11:15

[1I06] FPの有効利用に関する研究

(1)照射済み燃料中における白金族合金の模擬体作製及び熱力学的評価

*樽見 直樹1、新田 旭1、増子 元海1、佐藤 勇1 (1. 東京都市大)

キーワード:白金族合金、核分裂生成物、水素低減触媒、水素吸蔵合金

東京都市大学重点推進研究では、FPの有効利用に着目した研究が行われている。照射済み燃料中の核分裂生成物には再処理後不溶解残渣として析出する白金族合金(Mo,Ru,Rh,Pd及びTcで構成される)が存在する。そのうちRu、Rh及びPdという元素は酸素と水素の再反応のための触媒や、水素吸蔵合金として利用されている。一方で、福島第一原子力発電所の燃料デブリは、再臨界や放射性物質の飛散等から危険性を持つため、収納容器に密封する必要があるとされる。しかしながら、燃料デブリに含まれる水分が放射線分解されることによって水素が発生し、密閉された収納容器では内圧が上昇すると予測されるため対策が必要である。一つの方法として水素低減用触媒を利用することがあげられるが、その代表例として挙げられる貴金属触媒は高価なため使用は現実的でない。そこで、核分裂先生物である白金族合金を水素低減用触媒として直接利用していくことを目的とする。 本研究では、白金族合金の水素吸蔵・触媒材料としての機能を調べることを目的とし、模擬体の作製を行い、相の安定性などについて冶金学的な観察及び熱力学的な検討を行った。