[1L01-08] 核融合炉液体金属工学

[1L04] 核融合炉内液体金属機器におけるFeCrAl合金の適用性検討

(1)酸化被膜形成挙動について

*畑山 奨¹、宮川 幸大¹、菱沼 良光²、近藤 正聡¹、田中 照也²、大野 直子³ (1. 東工大、2. 核融合研、3. 横浜国大)

キーワード：核融合炉、液体ブランケット、液体ダイバータ、FeCrAl合金、酸化被膜

核融合炉ではトリチウム増殖材に液体鉛リチウム合金を用いる液体ブランケットが計画されており、ダイバータのプラズマ対向材として液体スズの使用が検討されている。しかし、液体金属による構造材料の腐食が、これら液体金属機器の持つ課題として挙げられる。FeCrAl合金を予備酸化処理することで形成するα-Al₂O₃被膜が材料表面を保護することで、液体金属との共存性が向上することが明らかになってきた。α-Al₂O₃被膜の膜厚などの性質は、処理温度、処理時間によって変化するため、最適な予備酸化処理条件を決定する必要がある。本研究では、1173 K, 1273K, 1373 K でFeCrAl合金を予備酸化処理し、α-Al₂O₃被膜形成の挙動を調査した。また、α-Al₂O₃被膜の付着強度をマイクロスクラッチ試験によって評価し、剥離する際の臨界荷重や膜厚および処理温度との関係性を明らかにした。