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[2H02] ケイ酸カルシウム水和物に吸着したセシウムの構造とサイト選択性の解明
キーワード:ケイ酸カルシウム水和物、Cs吸着、核磁気共鳴
コンクリートの主要な硬化成分であるケイ酸カルシウム水和物(C-S-H)へのCs吸着機構を解明するため、Ca/Siの異なるC-S-Hに対しCsI水溶液を用いた収着試験を行い、Csの吸着構造を133Cs固体NMRにより解析した。結果、Ca/Siの低い試料ではピークAのみが観測され、Ca/Si比の高い試料ではピークAに加え低磁場側にピークBが観測された。CsはCaとの交換により吸着すると考え、ピークAを層間のシラノール基(サイトA)に吸着したCs、ピークBをシリケート鎖の架橋Siが欠落した部位のCa(サイトB)と交換したCsに帰属した。また、異なるCs濃度で収着試験を行った結果、低いCs濃度ではピークAのみが観測され、Cs濃度が高くなるにつれピークBが観測された。これら結果より、Cs吸着の選択性として、サイトAへの吸着が優先的に起こり、サイトAへの吸着が飽和することでサイトBへ吸着すると考えた。