2022年春の年会

講演情報

一般セッション

II. 放射線工学と加速器・ビーム科学および医学利用 » 203-1 加速器(医療用を含む)・放射光・レーザー

[3C05-08] 加速器1

2022年3月18日(金) 10:45 〜 12:00 C会場

座長:増田 開 (QST)

11:00 〜 11:15

[3C06] 加速器による高品質医療用RIの大量生成に向けたPHITSとDCHAINによる放射能評価手法の高度化

*橋本 慎太郎1、永井 泰樹2,3 (1. JAEA、2. 千代田テクノル、3. QST)

キーワード:PHITS、DCHAIN、放射性同位体生成、核反応断面積データ、加速器

がんに対する質の高い診断と治療を行う上で医療用放射性同位体(Med-RI)が重用されている。Med-RIには高い核種純度が求められており、更に他の医薬品との競合から低コストで大量かつ多種類のRIの製造が要請される。そこで近年では、数10MeVの高エネルギーの粒子加速器と厚い標的を用いた製造方法が盛んに研究されてきた。我々は、ビーム照射時のRI生成量とその時間変化を計算できる粒子輸送計算コードPHITSと誘導放射能計算コードDCHAINを利用することで、最適な製造方法の検討を行っている。しかし、DCHAINを利用する際、20MeV以上の粒子によるRIの生成は核反応モデルによって計算するため、信頼性が十分ではなかった。そこで今回、より信頼性の高い評価済み核データ(JENDL-4.0/HE)に基づいた生成量をDCHAINで利用できるよう機能の高度化を行った。これにより、20MeV以上のエネルギーでも放射能の時間変化を高精度で評価できるため、効率的な製造方法を議論する際に重要な役割を果たすことが期待される。