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[1B01] VRFB反応体としてのデカバナジン酸イオンの電気化学分析
キーワード:VRFB、デカバナジン酸イオン、サイクリックボルタンメトリー、ラマン分光分析
日本の再生可能エネルギーの利用推進において、蓄電池が重要な役割を持つ。バナジウムレドックスフロー電池(VRFB)は再利用しやすい利点からクリーンな電池として注目されている。しかし、VRFBはエネルギー密度の低さの課題から、小型化が困難である。そのため、既存の系で用いられるバナジルより、溶解度が高いバナジン酸イオンの利用が検討されている。バナジン酸イオンは、溶質濃度の上昇に伴い重合種が生成され、中でもデカバナジン酸イオンは4価と5価の酸化還元反応が確認されている。 本研究では、サイクリックボルタンメトリー(CV)測定とラマン分光分析を用いて、デカバナジン酸イオンの酸化還元挙動を解析し、VRFBへの利用を評価した。実験結果から、デカバナジン酸イオンは弱酸性の領域で安定に存在し、2段階の反応で5価から4価へ還元されることが示唆された。