2023年秋の大会

講演情報

一般セッション

III. 核分裂工学 » 303-3 ヒューマンマシンシステム,高度情報処理

[1M01-04] 原子力発電所におけるレジリエンスエンジニアリング

2023年9月6日(水) 10:00 〜 11:10 M会場 (ES総合館3F ES034)

座長:佐相 邦英(電中研)

10:00 〜 10:15

[1M01] 原子力発電所運用におけるレジリエンス・ポテンシャルの強化

(1) 全体のフレームワーク

*北村 正晴1、作田 博2 (1. テムス研究所、2. INSS)

キーワード:Safety-Ⅱ、レジリエンスエンジニアリング、レジリエンス・ポテンシャル、RAG、弱い信号

Safety-Ⅱベース安全探求方法論の進展を踏まえ、原子力発電所の運用におけるレジリエンス向上の中心的課題であるレジリエンス・ポテンシャルの強化のための体系的な検討を進めた。これまで筆者らはレジリエンス評価グリッド(Resilience Assessment Grid: RAG)を基盤とした、原子力発電所運転員の安全に関する気づき能力強化方策について検討してきた。具体的には、システムの弱点が顕在化する脆弱性要因に力点を置いた研修方策を開発・試行している。この研修方策は有効に機能することが確認できているが、より研修の実効性を向上させる観点から、レジリエンス・ポテンシャルの強化に関する体系的検討を進めた。内容としては、(1)レジリエンス・ポテンシャル4種類相互の機能的関係の明確化、(2) レジリエンス創発と密接に関係する弱い信号(weak signal)との関連性整理、(3) 学習する、および予見するポテンシャルを強化するための標準的方策につき検討して、有用な知見を得ている。