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[1J06] 分子レベルの実験と第一原理計算による粘土鉱物吸着反応の系統的理解
キーワード:EXAFS、VASP、粘土鉱物、水和構造、ラジウム
粘土鉱物は地球表層に広く存在し多くの陽イオンを吸着することから、様々な元素の環境挙動を支配している。例えば原子力発電所の事故から放出された放射性セシウムは粘土鉱物に吸着したため土壌表層に固定された。一方で、アクチノイドのアナログとしても着目されるレアアースは、粘土鉱物に多く吸着するものの容易に脱着する。これらの違いは吸着時の水和状態の違いによると考えられている。そのため、粘土鉱物吸着反応の理解には水和反応の理解も必須である。本研究では、アルカリ土類金属で最も大きいイオンであるラジウムに着目し、その水和状態及び粘土鉱物への吸着状態を世界で初めて広域X線吸収微細構造(EXAFS)法及び第一原理計算で明らかにし、同族元素と比較した。これらの結果から、Raは他の元素に比べて脱水しやすく、粘土鉱物に対して脱水して吸着(内圏錯体を形成)することがわかった。