第60回全日本病院学会

セッション情報

介護医療院協議会

介護医療院協議会
「地域包括ケアにおける介護医療院の役割」

2018年10月7日(日) 13:00 〜 14:30 第3会場 (パレロワイヤルB)

座長:土屋繁之 (公益社団法人全日本病院協会 常任理事 / 介護医療院協議会 議長 / 高齢者医療介護委員会 副委員長 / 病院機能評価委員会 副委員長 / 医療法人慈繁会 土屋病院 理事長・院長)

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 介護医療院は地域包括ケアシステムの5要素(医療、介護、生活支援、予防、住まい)のうち、介護療養型医療施設が持つ「医療」「介護」「生活支援」に「住まい」の機能を加え、医療の必要な要介護者の長期療養・生活施設として平成30年4月より創設された。これは平成35年度末で設置期限を迎える介護療養型医療施設の移行先として期待され、各自治体によって対応の違いはあるがすでに多くの医療機関で介護医療院の運営が開始されている。
 本シンポジウムでは厚労省老健局老人保健課課長鈴木健彦氏より介護医療院の概要・認定状況をご報告頂き、慶応義塾大学大学院経営管理研究科教授田中滋氏より介護医療院の担うべき役割・今後の展望についてご講演頂く。介護医療院は介護療養型医療施設が単に名称を変更して運営されるだけでその役割を果たせるかは甚だ疑問である。今後医療から介護、介護から医療をシームレスに結ぶ地域包括ケアシステムにおいて重要な位置づけでその役割を担うことになるため、全日病会員である医療法人弘生会本庄内科病院理事長・院長の本庄弘次先生に「中小病院の抱える介護支援の課題」と題して実際に介護医療院へ移行し運営を開始してからの課題と今まさに在宅医療が抱える課題をご提示頂き、また医療法人笠松会有吉病院理事長田中圭一先生からは「当院における介護医療院の位置づけと将来像について」と題して理想的な地域包括ケアシルテム構築を目指す考え方と90床という多数の病床を一気に介護医療院へ移行した決断理由、また以降の際に利用した助成制度の活用実例をご提示頂く。
 介護医療院は医学的管理は勿論のこと、「住まい」として療養環境を整え、入所者の意志および人格を尊重し、入居者の立場に立ってサービス提供をする生活の場である。地域住民との交流、病状急変時の対応、看取り・ターミナルケアの在り方など多くの課題を抱えてスタートした。それぞれのシンポジストから多くの課題をご提示頂き、今後地域包括ケアシステムにおける介護医療院の在るべき役割の考え方と課題を整理して頂ければ幸いである。