演者:安藤高夫1,2,3 (衆議院議員(医師), 公益社団法人全日本病院協会 副会長, 医療法人社団永生会 永生病院 理事長)
セッション情報
医療事故調査等支援担当委員会
医療事故調査等支援担当委員会
医療事故調査制度と医師法21条の解釈
2019年9月29日(日) 09:00 〜 10:30 第3会場 (白鳥ホール(南))
座長:飯田修平(公益社団法人全日本病院協会 理事/公益社団法人全日本病院協会 医療事故調査等支援担当委員会 委員/公益財団法人東京都医療保健協会 練馬総合病院 理事長・院長)
演者:永井庸次(公益社団法人全日本病院協会 常任理事/公益社団法人全日本病院協会 医療事故調査等支援担当委員会 副委員長/株式会社日立製作所 ひたちなか総合病院 名誉院長) ,長谷川友紀(公益社団法人全日本病院協会 医療事故調査等支援担当委員会 特別委員/東邦大学医学部社会医学講座医療政策・経営科学分野 教授) ,宮澤潤(公益社団法人全日本病院協会 医療事故調査等支援担当委員会 特別委員/宮澤潤弁護士事務所 所長) ,安藤高夫(衆議院議員(医師)/公益社団法人全日本病院協会 副会長/医療法人社団永生会 永生病院 理事長)
院内医療事故調査の手法及び報告方法を標準化した指針を医療関係者に提示することを目的に、厚生科学研究「医療事故発生後の院内調査の在り方と方法に関する研究」(研究代表者 飯田修平)を実施し(2011-2012 年)、本研究を基に、『院内医療事故調査の指針』を出版した(メディカ出版2013年11 月)。
医療事故調査制度(本制度)が2014 年6 月に導入されたが、医療機関及び医療従事者の理解と対応は十分ではなかった。また、2015 年4 月に本制度運用のガイドラインとして、省令/ 通知が交付され、10 月に施行されるにも拘わらず、医療機関の対応は不十分であった。そこで、省令/ 通知の内容を反映させて『院内医療事故調査の指針 第2 版』を出版し(メディカ出版 2015 年8 月)、これを教材に研修会を開催している。
しかし、医療事故調査· 支援センターへの事故発生報告は少なく、相談が多い。その要因の一つは、複数の団体の「院内医療事故調査に関する指針」の“ 医療に起因する” と“ 予期しない” に関する異なった解説である。多くの医療機関から、「異なった指針のどの解釈に基づいてよいか混乱する」との指摘がある。現場での混乱を回避し、本制度の円滑な運用を図るには、主要な論点について比較検討し整合を図る必要があると考え、『院内医療事故調査の考え方と進め方 適切な判断と委員会運営のために』を出版した(じほう 2017 年4 月)。
また、他の要因として、報告書が裁判に使われる可能性があること、医師法21 条に基づく警察への届け出に関する解釈の相違があることも考えられる。とくに、厚労省の通知等に不整合があり、現場に混乱が生じている。
本制度が十分に機能しない場合には、医療界全体への不信が増強し、制度見直しに際して、医療界に厳しい要件が課せられることを危惧する。医療の信頼の創造を目指して、適切な対応が必須である。
本制度の制度運用における問題(対象事例の判断と医師法21 条の解釈)を概説し、病院長、医療事故調査委員会外部委員、法律家、それぞれの立場から、運用上の問題点を口演いただき、その後、総合討議で活発な質疑を期待する。
演者:永井庸次1,2,3 (1.公益社団法人全日本病院協会 常任理事, 2.公益社団法人全日本病院協会 医療事故調査等支援担当委員会 副委員長, 3.株式会社日立製作所 ひたちなか総合病院 名誉院長)
演者:長谷川友紀1,2 (1.公益社団法人全日本病院協会 医療事故調査等支援担当委員会 特別委員, 2.東邦大学医学部社会医学講座医療政策・経営科学分野 教授)
演者:宮澤潤1,2 (1.公益社団法人全日本病院協会 医療事故調査等支援担当委員会 特別委員, 2.宮澤潤弁護士事務所 所長)