第61回全日本病院学会

セッション情報

シンポジウム

シンポジウム2
令和時代の職場環境作

2019年9月28日(土) 10:40 〜 12:10 第3会場 (白鳥ホール(南))

座長:小林清彦(医療法人愛生館 副理事長)
シンポジスト:北島明佳(医療法人社団元気会 横浜病院 理事長) ,石井隆平(医療法人おもと会 理事) ,石川賀代(社会医療法人石川記念会 HITO病院 理事長)

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(学会長からの企画のねらい)
現在、全都道府県で地域医療構想が策定されその推進が求められている。将来の人口減少、高齢化の一層の進展を見越して、地域に必要な医療をどのように確保していくかを各構想区域で協議していくこととなっているが、その進捗は地域により違うものの、全体としてあまり順調でないと言われている。
厚生労働省は、昨年度、各構想区域における議論の活性化を目的に、地域医療構想アドバイザーの選任、都道府県単位の調整会議の設定、定量化の指標の検討など、さまざまな施策を打ち出すと共に、今年度は公的病院の策定プランの検証を、公的病院の機能が「代替可能性があるかどうか」、さまざまな定量的なデータをもとに年度後半に議論を進めるよう求めている。今後、調整会議での議論はかなり具体的で、各病院の将来を左右する重大な協議が行われていくことになる。
 しかし、各地域の調整会議では、病院機能の議論だけでなく医師偏在対策の一環である外来機能の
議論や、医療機器の適正配置などの議論も求められることになっており、あまりにも多くの議論を非常に短期間に行うことが求められることから、実質的な協議が行われるか危惧する意見もある。
また、地域によっては、公的病院の地域に必要な医療を優先的に議論され、民間病院がその影響を大きくうけることになり、地域の医療を守ってきた民間病院に議論が不利に働くのではないかとの危惧もある。
 今後、医師の働き方改革、医師の偏在対策とともに三位一体で議論をしていくことが閣議決定されている中、どのように地域で議論していけばよいか、また、真に地域にとって効率的な医療提供体制を構築していくためには、どのような点に留意して議論に加わっていけばよいか、今回のシンポジウムでは、鈴木地域医療計画課長の講演に加え、地域医療構想に関するワーキンググループのメンバ-でもある伊藤伸一先生、織田正道先生に加わっていただき、じっくりと議論いただく予定である。
今後の各病院の将来を大きく左右する大改革であり、座長の神野正博先生をはじめ論客の先生方を集めたシンポジウムを設定させていただいたつもりである。各構想区域での今後の議論に大いに参考となるシンポジウムとなることを期待している。