2020年度全国大会(第55回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[166]-[168]

2020年11月8日(日) 13:00 〜 14:00 第VI会場

司会:阿久井 康平(大阪府立大学)

13:20 〜 13:40

[167] Park-PFI等における民間事業者選定の審査傾向と収益施設へのデザイン的影響に関する考察

○齋藤 勝弘1、柴田 久2、池田 隆太郎2 (1. 日本工営株式会社、2. 福岡大学工学部社会デザイン工学科)

キーワード:Park-PFI、審査傾向、収益施設、形態的デザイン

本研究では,Park-PFI制度等を活用した都市公園整備事業を対象に,収益施設を運用する民間事業者選定の審査項目および配点割合等を整理し,その傾向を把握した.さらに供用開始している単独単一型20施設の形態的特徴からデザインの傾向を明らかにし,それら審査傾向と施設へのデザイン的影響について考察を行った.その結果,1)798の審査項目から29の審査視点の分類を示し,そのうち審査時に最も多く設定されていた視点は「財務状況からみた信頼性」,最も高い配点割合として多く使用されていたのは「財政面における行政への貢献度」であること,2)上記,財務状況等とともに「全体コンセプトの整合性」も重視されており,行政が事業の方向性を適切に導いている傾向と捉えられる一方で,民間事業者の柔軟な発想を阻害しないよう十分配慮すべき状況にあること,3)県と比べて市は,審査時に周辺への影響や収益施設による波及効果といったまちづくり的観点を重要視している可能性が示唆されたこと,4)公園の場所性に応じた施設のデザインを導くうえで,審査視点「周辺環境・景観と調和のとれたデザイン」を高い配点割合で設定することに一定の効果があること,が明らかとなった.