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[30] COVID-19第一波前後に生じた潜在的な住宅選好の測定
-首都圏の新築・中古住宅に対する資料請求状況の分析
キーワード:COVID-19、住宅選好、住宅市場、オルタナティブデータ
本稿では、首都圏の新築・中古住宅に対する不動産ポータルサイト上での資料請求状況の分析を通して、COVID-19第一波前後に生じた潜在的な住宅選好の測定を試みた。次の傾向が明らかとなった。① COVID -19第一波の外出自粛期間中には、資料請求量の増加がみられた。これは、住まいの見直しに関する関心の高まりが反映されたものと考えられ、住宅検討行動データを通して、リアルタイムに住宅選好を捉えることができる可能性を示すものである。②外出自粛期間中の資料請求量の増加が(一時的に)顕著であった物件特性をみると、従来の住宅選好とは異なる傾向もみられた。例えば、都心乗車時間が45分以上の中古物件、最寄駅から15-20分以上離れた中古物件、延床面積が100-150m2以上の広い物件が挙げられる。③都心乗車時間が45分以上の地域においては、海浜や森林に近接した物件で、外出自粛期間中やその後における資料請求量の増加が顕著であった。遠郊外や通勤圏外において、自宅周辺の自然環境を重視する新しい傾向といえる。