2021年度全国大会(第56回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[66]-[71]

2021年11月6日(土) 12:40 〜 15:00 第VI会場 (共通講義棟C EL44)

司会:荒木 裕子(名古屋大学)、及川 康(東洋大学)

14:20 〜 14:40

[70] 水害を経験した市町村における減災型水害対策の策定経緯に関する研究

-都市計画マスタープランを対象として

○伊原 隼人1、中井 検裕1、沼田 麻美子1、坂村 圭1 (1. 東京工業大学 環境・社会理工学院)

キーワード:水害対策、減災、土地利用計画、都市計画マスタープラン、計画策定過程

減災型水害対策として土地利用計画が重視視され始めているが、実務的な課題から実施された事例は少なく、減災型対策への方針転換の実態は明らかになっていない。本研究では、水害を経験した地域を対象に、都市計画マスタープランの水害対策に関する記述内容の水害前後の変化と、策定委員会の議事録や自治体へのアンケートを用いた策定経緯の分析を行う。その上で、水害対策の全体方針の変化を明らかにし、土地利用計画による水害対策の導入背景や策定過程の特徴を明らかにすることを本研究の目的とした。水害対策の全体方針は、水害前の方針から徐々に変化し、雨水制御の次に避難や土地利用が重要になる傾向があった。また、土地利用計画による水害対策が取り組まれた背景は、家屋倒壊等の被害発生や、雨水制御や避難の次なる対策として重視されたことであった。また、目的は被害軽減と災害に強い都市構造の誘導であるが、合意形成や水害の不確実性等の課題を抱えており、対策間の調整の難しさから他の対策との連携は少なかった。