2021年度全国大会(第56回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[72]-[76]

2021年11月6日(土) 10:20 〜 12:00 第VII会場 (共通講義棟C EL45)

司会:福島 秀哉(東京大学)、角 哲(名古屋市立大学)、西川 亮(立教大学)

10:20 〜 10:40

[72] 個人の大切な場所が織りなすまちの構造の研究

-大岡山・千束地区を対象として

○木塲 佳音1、杉田 早苗1、土肥 真人1 (1. 東京工業大学)

キーワード:地域愛着、地区特性、まちづくり

心の拠り所となる「大切な場所」が地域の中に複数存在することは重要であり、身近な地域の中に「大切な場所」があることは、地域アイデンティティの形成や地域への愛着を醸成するものだと考えられる。2020年に大岡山・千束地区まちづくり協議会はアンケート調査を行い、その中で地域住民に大切な場所について聞いた。本研究では、その「大切な場所」の問いについて、地域住民の大切な場所と大切に思う理由を把握し、それらの特徴を明らかにすることを目的とする。分析の結果次のことがわかった。(1)大切な場所にはまち全体で共有されている場所、より小さな領域で共有されている場所、誰とも共有していない個人的な場所の3種類がある。(2)大切に思う理由は10の分類に分けることができた。大切に思う理由は場所の本質を捉えており、場所の保全を考えるときに重要な要素だと考えられる。(3)一つ一つの「大切な場所」が織りなしてできた、住所と理由によるこの構造は、この地区のコミュニティ生活や本質を表すものであり、今後のまちづくりの道標になると考えられる。