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[104] 輪島市における産業廃棄物最終処分処理場計画をめぐる住民投票の研究
-住民投票条例における成立要件としての「50%条項」が住民に与える影響を考える
キーワード:住民投票、市民参加、産業廃棄物最終処分処理場、日本の地方自治、50%条項
本研究の目的は石川県輪島市における産業廃棄物最終処分処理場の建設計画に関する住民投票を通じて、日本の自治体における住民投票のあり方を再考するものである。とくに全有権者の50%以上の投票を成立要件とする、いわゆる「50%条項」は、意図的な投票棄権や投票への諦めを誘発するもので、住民投票の趣旨である市民自治の理念に照らした場合、公正さを著しく阻害するものである。それはつとに指摘されてきたが、実際にどの程度の市民が、どのような影響を被るのかは日本では明らかにされてこなかった。本研究では石川県輪島市の住民意識調査を通してその実態を考察する。現在も日本の多くの自治体で採用されていることを問題視し、住民投票条例に盛り込まれている「50%条項」(有権者の2分の1以上の投票)の改正もしくは絶対得票率への条例改正を提言する。