2023年度全国大会(第58回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[9]-[12]

2023年11月11日(土) 13:30 〜 14:50 第I会場 (A棟 G19教室)

司会:田中 健一(慶應義塾大学)、本間 裕大(東京大学)

14:30 〜 14:50

[12] 人口変動を考慮した拠点計画手法に基づいた将来の拠点配置戦略の検討

○嚴 先鏞1、長谷川 大輔2 (1. 筑波大学、2. 東京大学)

キーワード:都市拠点、人口減少、施設計画、集約型都市構造

我が国は急激な人口減少時代に突入し,効率的・効果的に都市機能を持続させるために,全国の自治体で立地適正化計画などの都市の拠点設定による集約化が検討されている.本研究では,人口変動を考慮しながら住民の近接性と拠点維持・配置コストの両立のために住民の移動距離,配置する施設数,拠点数,新規施設数を考慮した拠点計画モデルを提案し,都市の人口規模による将来拠点計画の戦略を検討した.第一に,提案したモデルを関東地方に適用した結果,配置された拠点の量と立地において将来人口変動を考慮していないモデルと違いがあることを明らかにした.第二に, 3割程度の自治体で配置される拠点数が異なること,拠点数が同じであっても将来人口を考慮することで最適となる立地が異なることが分かった.第三に,人口現象が激しくない地域では人口減少を考慮した縮小された拠点計画が必要であること,人口減少が激しい地域では将来の急激なコストの増加を抑制するために初期段階で多く拠点を配置して段階的に縮小していく必要があることを明らかにした.本研究の結果は,人口変動を考慮した多様な計画案の基礎を提供し,将来の空間計画の戦略の検討に貢献できる.