2023年度全国大会(第58回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[87]-[93]

2023年11月12日(日) 09:00 〜 11:30 第II会場 (A棟 G29教室)

司会:畠山 雄豪(東北工業大学)、尹 莊植(横浜国立大学)、松川 寿也(長岡技術科学大学)、杉田 早苗(東京工業大学)

10:30 〜 10:50

[91] 人口減少・災害リスクに対応した逆線引きの実態と課題

-舞鶴市・北九州市・広島県の取り組みの比較と住民意見の分析から

○永末 圭佑1、山崎 潤也1、似内 遼一1、真鍋 陸太郎1、村山 顕人1 (1. 東京大学)

キーワード:逆線引き、区域区分、コンパクトシティ、人口減少、災害

人口減少や災害の激甚化を背景としたコンパクトシティ政策の一環として、区域区分の変更の活用がいくつかの自治体で行われている。しかしそれらは必ずしも円滑ではなく、住民の反発により大幅縮小をした事例も存在する。そこで本研究では、3つの逆線引き事例について、文献調査や自治体、地域関係者へのインタビューを行い、逆線引きの実施形態や背景の比較と、住民意見の分析を行った。その結果、人口減少・災害リスクに対応した逆線引きは、自治体ごとにさまざまな手法で実施されていること、また住宅地の逆線引きでは資産価値の低下や災害対策のあり方を論点とした反発が生じていることがわかった。住宅地の逆線引きは実施プロセス上の問題点も多いが、しかし住民にとっての避けられないデメリットなどの構造的課題も存在するため、今後は多分野の施策を併用したダウンゾーニングの実践と研究が待たれる。