2023年度全国大会(第58回論文発表会)

講演情報

都市計画論文

講演番号[117]-[120]

2023年11月12日(日) 13:10 〜 14:30 第IV会場 (A棟 G22教室)

司会:坂本 淳(高知大学)、荒木 裕子(京都府立大学)

14:10 〜 14:30

[120] 津波浸水想定区域を考慮した居住誘導区域の指定に関する一考察

-和歌山県内5市町を対象としたケーススタディ

櫻井 祥之1、○小川 宏樹2 (1. 和歌山工業高等専門学校、2. 徳島大学)

キーワード:立地適正化計画、居住誘導区域、津波浸水想定区域、人口減少

2014年に創設された立地適正化計画制度の下, 居住誘導区域が各地の自治体で指定されている. 近年では, 立地適正化計画と防災の連携の必要性が唱えられるようになり, 種々の災害の中でも大きな被害が懸念されるのが, 津波災害である. 現状の立地適正化計画制度では, 津波浸水想定区域の居住誘導区域からの除外は, 自治体に判断が委ねられているが, 都市機能の高台移転等, 津波被害を踏まえた都市づくりが進む一方で, 津波被害が想定される地域に居住誘導区域が指定される場合がある. さらに人口減少下において, 居住誘導区域の生活利便性を維持するためには, 人口密度のコントロールが必要である. 以上の背景から本研究は, 南海トラフ巨大地震におる津波被害が想定される, 和歌山県の居住誘導区域指定都市を対象に, 津波浸水被害リスクの低減と人口密度の確保を実現する, 居住誘導区域の指定に向けた知見を得ることを目的として実施した. その結果, 市街化区域等から津波浸水想定区域を除外して居住誘導区域を指定し, 津波浸水想定区域の居住人口を誘導することで, 安全かつ人口密度が確保された居住誘導区域を形成できることが明らかとなった.