日本認知心理学会第13回大会

講演情報

シンポジウム

[S3] シンポジウム3

注意・知覚

2015年7月5日(日) 09:30 〜 12:00 1大 (法文2号館)

企画・司会:齋木潤(京都大学), 指定討論:船橋新太郎(京都大学)

[S-3] 視覚性ワーキングメモリ研究の新展開

齋木潤1, 坪見博之2, 上野泰治3, 町沢まろ4, 川崎真弘5, 船橋新太郎1 (1.京都大学, 2.富山大学, 3.名古屋大学, 4.広島大学, 5.筑波大学)

ワーキングメモリ研究は認知心理学の中核の一つをなす。その中で、視覚性ワーキングメモリは、記憶研究者、視覚研究者、神経科学研究者など異なる背景を持つ研究者が関心を持ち、多くの研究が行われてきた。従来は、独立に進んできたこれらの研究の間に、最近交流の兆しが見えつつある。このシンポジウムでは、異なる背景を持つ視覚性ワーキングメモリ研究者の最新の研究成果を知り、議論することを通して、今後の研究の方向性を展望する。話題提供者の坪見は、視知覚研究を背景とする視覚性ワーキングメモリ研究の中心的なテーマの一つである容量制約について述べる。上野は記憶研究からの視覚性ワーキングメモリ研究の中で、注意と記憶の相互作用の問題を取り上げ、計算機モデル研究も交えて話題提供する。町沢と川崎はともに、認知神経科学的な視覚性ワーキングメモリ研究を紹介するが、町沢は視覚性ワーキングメモリの質と量に対して脳の各領域が果たす役割、川崎は位相同期に着目した脳のネットワーク特性と視覚性ワーキングメモリとの関連、とそのアプローチは異なっている。こうした背景も手法も多様な諸研究のなかから新たな展開の可能性を探ってみたい。

話題提供
・坪見博之#、富山大学
「視知覚とワーキングメモリの容量制約」
・上野泰治、名古屋大学
「注意と視覚的記憶の相互作用 - 計算機モデル手法の共有と心理学データ」
・町沢まろ#、広島大学
「異なる脳領域における機能構造が果たす視覚ワーキングメモリの質と量への役割」
・川崎真弘、筑波大学
「脳波リズム位相同期が示すワーキングメモリに関する脳ネットワーク