[PB009] 高等学校の特性と友人・学習意欲との関連についての検討
キーワード:高等学校, 友人関係, 学習意欲
【問題と目的】
近年,高校生に対する予防的・開発的援助の重要性が指摘されている。石隈(1999)は,予防的・開発的援助を検討する際に,生徒の実態を把握することが必要であると指摘している。高等学校は,大学への進学率によって各学校の特性は異なっていることから,高等学校と一括りにするのではなく,「進学校」や「非進学校」といった各学校の特性を考慮する必要がある(中央教育審議会,2012)。高校生の学校不適応や中途退学のリスクを増大させる要因として,友人関係や学習に対する意欲の低下が指摘されている(Suhyun & Jigyo,2007)。そのため,学校の特性に着目し,友人関係と学習に対する意欲について検討を行うことは,高校生に対する援助方針を検討する上で,有益な一示唆の提供になると考えられる。
そこで本研究では,生徒の友人関係と学習意欲のバランスについて学校タイプに着目し検討を行うことを目的とした。
【方法】
調査対象 A県の県立高等学校,「進学校」の生徒1,029名,「進路多様校」の生徒1,987名,「非進学校」の生徒966名,計3,982名の生徒であった。
調査時期 2007年10月
調査内容「School Moral Scale(高校生用)」(河村,1999)の下位尺度である,「友人との関係」と「学習意欲」を実施した。
【結果と考察】
生徒の友人関係と学習意欲のバランスを把握するために,クラスター分析(Ward法)を行い,4クラスターによる分類を採用した(両立群,友人群,学習群,喪失群)。その後,学校タイプと友人×学習4群との関連について検討を行うためにχ?検定を行った(Table 1)。この結果から,学校タイプの差異によって,友人関係と学習意欲のバランスには差異があることが示唆された。
本研究の結果より,各学校タイプに在籍している生徒の友人と学習に対する意欲の実態が明らかにされたと考えられる。「進学校」では,友人関係と学習に意欲的な生徒と,学習のみに意欲的なっている生徒が,「非進学校」では友人関係のみに意欲的になっている生徒と,友人関係と学習に対する意欲が低下している生徒が,それぞれ多数在籍していることが明らかになった。なお,「進路多様校」では,有意な偏りが認められなかったことから,様々な生徒が在籍している可能性があると考えられる。
近年,高校生に対する予防的・開発的援助の重要性が指摘されている。石隈(1999)は,予防的・開発的援助を検討する際に,生徒の実態を把握することが必要であると指摘している。高等学校は,大学への進学率によって各学校の特性は異なっていることから,高等学校と一括りにするのではなく,「進学校」や「非進学校」といった各学校の特性を考慮する必要がある(中央教育審議会,2012)。高校生の学校不適応や中途退学のリスクを増大させる要因として,友人関係や学習に対する意欲の低下が指摘されている(Suhyun & Jigyo,2007)。そのため,学校の特性に着目し,友人関係と学習に対する意欲について検討を行うことは,高校生に対する援助方針を検討する上で,有益な一示唆の提供になると考えられる。
そこで本研究では,生徒の友人関係と学習意欲のバランスについて学校タイプに着目し検討を行うことを目的とした。
【方法】
調査対象 A県の県立高等学校,「進学校」の生徒1,029名,「進路多様校」の生徒1,987名,「非進学校」の生徒966名,計3,982名の生徒であった。
調査時期 2007年10月
調査内容「School Moral Scale(高校生用)」(河村,1999)の下位尺度である,「友人との関係」と「学習意欲」を実施した。
【結果と考察】
生徒の友人関係と学習意欲のバランスを把握するために,クラスター分析(Ward法)を行い,4クラスターによる分類を採用した(両立群,友人群,学習群,喪失群)。その後,学校タイプと友人×学習4群との関連について検討を行うためにχ?検定を行った(Table 1)。この結果から,学校タイプの差異によって,友人関係と学習意欲のバランスには差異があることが示唆された。
本研究の結果より,各学校タイプに在籍している生徒の友人と学習に対する意欲の実態が明らかにされたと考えられる。「進学校」では,友人関係と学習に意欲的な生徒と,学習のみに意欲的なっている生徒が,「非進学校」では友人関係のみに意欲的になっている生徒と,友人関係と学習に対する意欲が低下している生徒が,それぞれ多数在籍していることが明らかになった。なお,「進路多様校」では,有意な偏りが認められなかったことから,様々な生徒が在籍している可能性があると考えられる。